ブランディングが
必要な理由

大企業・中小企業を問わず、
数多くの企業が自社や運営する店舗、商品や製品、
サービス等のブランディングに取り組んでいます。
現代のビジネスシーンにおいて、
なぜ、ブランディングが必要な施策と広く認知され、
そして注目されているのでしょうか。
ビジネスモデルの変遷と合わせて解説していきます。

ブランディングとは何か?

ブランディングとは、企業や店舗、プロダクトやサービスなどの潜在的な魅力を引き出し、それらを価値あるブランドへと育てることで、競合との差別化を図る施策のことを言います。
競合と同じステージに立ち、お互いがより優れたメリット(機能や性能の質や量)を競い合いアピールするのではなく、競合が存在しないポジションへと自らをスライドさせたり、新しステージを構築する施策です。

対象の価値を育てる

ビジネスモデルの変遷

「所有すること」に価値があった時代

ブランディングという言葉が無かった頃の日本のビジネスモデルは、新しい機能やサービスをこれでもかと導入することや、自らが得意とする性能を向上させることを武器としており、多くの企業がその武器を磨くことだけに邁進していました。どちらかというとお客様目線ではなく自社目線、自らの長所を研磨する施策です。
お客様目線が問われる現代において、自身の長所を中心に推し進める施策に疑問を持たれるかもしれません。
その理由は、決して価値を提供する側のマーケティング能力の欠如によるものではなく、私たち消費者が生きてきた戦後という時代が理由だと考えられます。

かつては、冷蔵庫やテレビ、エアコンなど、生活がより便利になるものを多くの人が求める社会でした。
今までの生活に無かったものを「所有すること」に消費者は憧れを抱き、それに応えることに価値があったため提供する側は「より多く、より早く」製造できることを目標とし、また、使命としていました。

所有する時代から多機能・高機能の時代へ

所有することが当たり前になってからは、より多くの機能が搭載されているもの、より性能の高いものが評価される時代になりました。今より少し前の時代です。例えば、フィーチャーフォン(携帯電話)。携帯電話の始まりは文字通り「携帯できる電話」でしたが、いつしか電話帳やカメラ、Eメールに赤外線通信、万歩計、着信音編集など、多くの機能が盛り込まれました。(数多くのボタンや機能があるにも関わらず、実際に使用しているものは一部でした。)

スマートフォンの登場で人々の生活は一変し、これまで搭載されていた機能の何倍もの数、想像の範囲を超えたあらゆることが出来るようになり、スマートフォンは瞬く間に、私たちの生活には無くてはならない存在となりました。いつでもどこでも知りたい情報が手に入れられる、「あったらいいな」が、誰かの手によって既に用意されている状態です。
今でも多くの機能や精度が日々向上していますが、私たちは既に多くのものを所有していて、多くの機能にも満足してしまいました。

そして、徐々に消費者が選択する理由が「機能」ではなく「意味(理由)」へと変わってきました。

意味(理由)があるから選んでもらえる

例えば、2つの時計メーカーがあり、ラインナップも性能も金額も同等でどちらのデザインも気に入っている、だけど1つしか必要がなかったとします。

片方のメーカーだけが「全て国内工場で生産していることで有名」だった場合、選択肢として残りやすいのはこちらの国内生産のメーカーといえると思います。(国内生産している=他国製より丈夫、修理もサポートも国内で安心)と、お客様にとって価値があるからです。

必要最低限の「機能」が備わっているのは大前提ですが、成熟した「機能」集団の中から選んでもらうには、お客様がイメージした際に「+α」の価値がしっかりと確立しているか、お客様が選ぶ「意味(理由)」が存在しているかが鍵になると考えます。そして、その価値の原石を見つけ出し育てることがブランド構築のはじまりです。

また、次代を担う若者の会社選びにも変化があり、やりがいを求めてベンチャー企業や中小企業の門戸を叩く若者も多いと聞きます。安定した大企業ではなく、働く意味やビジョンが明確に見えるベンチャーや中小企業を選択しているといえます。どのような職に就こうが、生きていける環境が備わっているからこそ、就職に関しても意味を求めています。

最初に想起される存在になるために

前述の通り「〇〇といえば...」で浮かぶ存在になれば、「機能」集団の中から選んでもらう武器にもなりますし、また、最初に想起されるような稀有な存在になれる可能性もあります。
ブランディングを行うことで、アスリートのように競い合っていた環境から離れ、向こうから声を掛けてくれるポジションに近づけるといえます。

ブランディングで認知を高め「〇〇といえば...」で最初に浮かぶ存在を目指したい、お客様が抱いているブランドイメージを変えたい(リブランディング)、お客様と共通の認識を持つためのクリエイティブを作りたいなど、ご相談いただければと思います。